2011-01-01から1年間の記事一覧

戦いとイメージ〜詩のこと〜

谷川俊太郎 著 「谷川俊太郎詩選集 2」 を読んだ。 大人から子供まで知っている日本の詩人はもはやこの人しかいないのではないだろうか。 日本を代表する詩人と言っていいだろう。 詩選集1は20〜40代の作品、この2では80年代を中心に発表された詩やわらべ…

感想〜黒門亭のこと〜

落語を聞きに黒門亭に行って来た。 三遊亭金時さんの出るので、いそいそとでかけたわけだが、 今回のネタは「淀五郎」。 忠臣蔵を演じる役者たちの話で、知識と演技力を求められる難しい噺だが、 そこは演技派の金時さん。 ぐっと見入ってしまった。あとは、…

絶妙な不安感〜梅崎春生とIZのこと〜

梅崎春生 著 「幻化・日の果て」 を読んだ。 地元グループKの奥さんであるIZは、私の数少ない読書仲間だ。 時折メールで情報交換をするのだが、このIZという人は少々変わっている。 私もそうだが、見た目は本を読むようにはまったく見えないのだが、こ…

ドMの集まり〜若手の会のこと〜

仕事関係の若手の会が行われた。 毎回、誰かが仕事で絡んでいる店に行くのだが、今回は自由が丘である。 毎度、毎度、店だけは洒落ている。 店だけというのも、なにせ男だけ8人なのだ。 男8人が自由が丘でトマト鍋ってどうだろう。 女子会ならぬ、ホモ会で…

エゴをもってエゴを描く〜「こころ」のこと〜

夏目漱石 著 「こころ」 を読んだ。 日本人であるならば、学生の頃になんらかの形で「こころ」を断片的にでも読んでいるだろう。 しかし全部読んだことある人はどれくらいいるのだろう。私も今まで未読だった。 私と先生が出会うところから物語は始まる。 こ…

精一杯〜演劇鑑賞のこと〜

演劇 兎団 「カフェ・ビアンカ」 を観た。 学習院女子大学の学生が演劇やダンスといったパフォーマンスのプロと一緒に行う一種の文化祭、「感劇市場」。 その企画のひとつがこの兎団との演劇というわけらしい。 らしい、というのも、当日に妙に演劇が見たく…

集まれ漢(おとこ)たち〜地元メンズ会合のこと〜

地元グループの男のみで集まった。 私とT、準レギュラーR君とkeiちゃん、恐妻Aの旦那さんの神Aさん、Y嬢の旦那さんの仏Anちゃんの6名。 レギュラーのK君とNごんのドイツ人の旦那Yは来られなかった。 なにせ女子メンバーが強すぎるグループのため、…

男と女〜ミソジニーのこと〜

上野千鶴子 著 「女ぎらい‐ニッポンのミソジニー」 を読んだ。 最強、最恐のフェミニストにして女性社会学者でお馴染み、上野千鶴子の近著。 男にとって不愉快な読書体験となるだろうと、著者が言っているが、確かにページをめくる手が重かった。 ミソジニー…

和の美〜山種コレクションのこと〜

「ザ・ベスト・オブ 山種コレクション」 を見た。 日本画専門美術館である山種美術館の所蔵品の中でも、 文化的、美術的の価値が高いものを一堂に会した企画展だ。 前期と後期にわかれていて、今回は江戸から近代日本画の前期である。 なかなか見る機会のな…

バーでレッスン〜ある夜のバーでのこと〜

特に飲む予定のない土曜は一人でバーへと繰り出す。 その日はやる気ないバーテンHがいるバーBへ。 雨ということもあり、他に客はいなかった。 しばらくHさんと話していると、カランコロン。 見るからにサブカル好きな女の子といった、ボブのメガネが。 H…

真実は見えてくるのか〜サブカルと社会のこと〜

宇野常寛 著 「ゼロ年代の想像力」 を読んだ。私と同い年の批評家。主にアニメや特撮といったサブカルチャーからドラマや文芸まで幅広く取り上げて注目されている。 三年前に出版されたものが文庫化されるにあたり、3・11をふまえてあらたに原稿が追加さ…

絵画もアメリカ流〜モダン・アート アメリカンのこと〜

「モダン・アート アメリカン‐珠玉のフィリップスコレクション‐」を見た。 国立新美術館で開催中の企画展。 20世紀初頭、ヨーロッパで巻き起こった印象派という美術界の革命の波はアメリカまでも席巻していく。 現代アートの印象が強いアメリカだが、そこ…

コンプリート〜Aと二人飲みのこと〜

恐妻Aと飲んだ。 中学からだから20年近い付き合いになるわけだが、二人だけでお酒を飲むのは今回が初めて。 Aと会うときはTと一緒なのだが、今回は二人。 というのも、他の地元メンバーとは全員二人で飲んだことがあったが、Aだけ無かったのである。 私…

きっと良い人〜森絵都のこと〜

森 絵都 著 「風に舞いあがるビニールシート」 を読んだ。 「カラフル」の著者としてお馴染み、135回直木賞受賞作。 表題作を含む6つの物語を収めた短編集。 仕事と人生の関係を密に描いた物語ばかりだ。 仏像修復士であったり、普通のサラリーマンであった…

完全に置いてかれた〜「かざかみパンチ」のこと〜

演劇 カムカムミニキーナ 公演 「かざかみパンチ」 を観た。 八嶋智人や山崎樹範などが所属する劇団で、以前から気になっていたので観に行ってみた。 場所は座・高円寺。初めて行ったが小さくて、舞台が見やすい小屋だ。 入ると、すでに演者が舞台でストレッ…

いつか殴りたい〜Tのこと〜

Tの奥さんが実家に戻っているので飲むことになった。 Tと飲んでも何も書くことがないのでいちいち書かないが、なんだかんだでよく飲んでいる。 いつもの居酒屋のいつもの席でぐだぐだ飲む。 それにしてもよく文句を言う。 そしてよく食べる。 さくっと飲む…

リズムのある文章〜「グラスホッパー」のこと〜

伊坂幸太郎 著 「グラスホッパー」 を読んだ。 著者の作品の中ではわりと初期にあたる作品。 ナイフを使う殺し屋、催眠術で自殺させる殺し屋、交通事故に見せかける押し屋と言われる殺し屋。 三つ巴の戦いに巻き込まれる普通の男。 著者が得意とする時間や空…

なにが顔〜ツーリングのこと〜

U君とツーリングに行って来た。 バイク復活を果たしたU君。ETCもナビも装備した本格的な長距離ライダーである。 一方、私と言えば400乗っているのに原付に抜かれるでお馴染みの街乗りライダー。。 そんな二人で念願のツーリングだ。 早朝6時にうちの前集…

本が攻めてくる〜神田古本まつりのこと〜

毎年楽しみにしている、神田古本まつりに行って来た。 前日から我が家に泊まったFも一緒だ。 Fも本は好きな方で、大学の頃「カラマーゾフの兄弟」をネタにさんざん話した記憶がある。 当時は私の中でドストエフスキーが熱かったのだが、あまり読んでいる人…

理不尽な世の中〜大学飲みのこと〜

大学時代の友人、酔いどれ司法書士Nと師匠Fと飲んだ。 私の中で集まるのは年に1回と決めている。 1回でお腹いっぱいだからだ。 1年ぶりに会っても全く新鮮さが無く、何事もなかったように飲み始めた。 去年、まさかの東京で野グソした発言で笑わせてく…

ハズレ無し〜宮部みゆきのこと〜

宮部みゆき 著 「小暮写真館」 を読んだ。 図書館で予約していたものを受け取ったとき、想像以上のボリュームにひるんだが、杞憂に終わった。 700ページの書き下し、久しぶりの現代小説だったのだが、ページをめくる手が止まらない。 ミステリーのような、学…

時代も人も熱い〜近代美術のこと〜

「イケムラレイコ うつりゆくもの」と「所蔵作品展 近代日本の美術」 を見た。 私の美術鑑賞歴もかなり長くなってきたが、東京国立近代美術館に足を踏み入れるのは実は初めてである。 日本の浮世絵や現代美術は見ることはあっても、近代となるとちょっと二の…

まだ見ぬ世界〜文楽のこと〜

赤川次郎 著 「赤川次郎の文楽入門 〜人形は口ほどにものを言い〜」 を読んだ。 観たい観たいと思っていて未だ観ていない人形浄瑠璃、いわゆる文楽。 とりあえず勉強しておこうと思ったのだが、まさか赤川次郎がこんな本を出しているとは意外である。 素人フ…

夜のにおい〜「星を撒いた町」のこと〜

山本善行 選 上林 暁 著 上林暁傑作小説集「星を撒いた町」を読んだ。 読み終えて、バルコニーから外の夜景を見てため息ひとつ。 世界はとてもはかなくて、愛おしいものだと感じた。 この作品を何に例えればよいかと考えたが、暗渠の流れの音がしっくりくる…

幸せ家族+1〜お買いもののこと〜

前日の登山でやや筋肉痛の足で、朝から明治公園のフリマにでかけた。 なぜだか服を買いたい衝動が抑えられなかったのだ。 値切り交渉を繰り広げていると、Tから買い物のお誘いが。 午後はゆっくり休もうかとおもっていたし、 んなもん家族水入らずで行ってこ…

ぬかるみ地獄〜武尊山のこと〜

Tさん夫婦とU君と4人で登山に行ってきた。 私としては今年初の山で、寒くなる前に行っておきたかったのだ。 今回選ばれた山は群馬の武尊山。これで”ほだかやま”と読む。 低山をのんびりと、という思いだったが見事に裏切られることになる。 急なこう配は少な…

普通の本〜「ちょんまげぷりん」のこと〜

荒木 源 著 「ちょんまげぷりん」 を読んだ。 ある日、シングルマザーのひろ子は一人の侍に出くわす。 180年前の江戸からタイムスリップしてきたらしい安兵衛との共同生活が始まる。 安兵衛は寝床を提供してくれた対価として家事をすべて請け負うのだが、…

恐怖の時間〜算数のこと〜

清水義範 著 西原理恵子 絵 「いやでも楽しめる算数」 を読んだ。 折あるごとに言っているが、子供の頃の私はバカだった。 それも普通のバカではない。トップクラスのバカだった。 算数などは、その存在そのものが恐怖であった。 九九を覚えるのも一番最後だ…

同世代の活躍〜黒門亭のこと〜

前日に兄(叔父)と飲み過ぎ、日曜だというのにやや不調。 こういうときは、のんびり落語に限る。 ということで、いつもの黒門亭へ。 春風亭朝也、三遊亭金八が「七段目」と「秋刀魚芝居」を続けて披露してくれた。 この二つの話はともに話の中に歌舞伎など…

至福の時間〜マッサージのこと〜

今年、まさかの動けなくなるという地獄を味わって以来、心のどこかに不安がある。 左の臀部からヒザの裏にかけて常に張っている感じがあるし、背中や腰はゴリゴリだ。 もっと自分の体をケアしなくてはいけない年齢になっているということを自覚せざるを得な…