和の美〜山種コレクションのこと〜

ザ・ベスト・オブ 山種コレクション」 を見た。


日本画専門美術館である山種美術館の所蔵品の中でも、
文化的、美術的の価値が高いものを一堂に会した企画展だ。
前期と後期にわかれていて、今回は江戸から近代日本画の前期である。


なかなか見る機会のない日本画の名作、
なかでも今回見たかったのが竹内栖鳳の「班猫」(重文)である。
教科書などで見たことある人も多いが、タイトル通りの猫の絵。
ふんわりとした毛の感触、深く光る眼、なによりこまかく観察したのだあろう猫の筋肉の動き。
素晴らしい作品だった。


同じくらいに感動したのが、女流日本画家・上村松園の「牡丹雪」。
雪の中、傘を前に傾けながら進む二人の女性の絵。
松園ならではの淡いのにはっきりとした色彩と日本の美意識を完璧に表現した筆致がすごい。
単純に綺麗。そう思える作品だり、日本に生まれて良かった−、と思わず言いたくなる作品だった。


他の展示作品も見応えがある。
80点とそれほど多いわけでもないが、じっくり時間をかけて楽しみたい。
落ち着いた雰囲気の山種美術館で日本の伝統美を堪能する。
なかなか贅沢な時間となるだろう。