ハズレ無し〜宮部みゆきのこと〜
宮部みゆき 著 「小暮写真館」 を読んだ。
図書館で予約していたものを受け取ったとき、想像以上のボリュームにひるんだが、杞憂に終わった。
700ページの書き下し、久しぶりの現代小説だったのだが、ページをめくる手が止まらない。
ミステリーのような、学園小説のような、恋愛小説のような、家族小説のような。
いやもう全部盛りの内容になっている。
高校生の英一を中心に物語は進んでいくのだが、
登場人物はみんな善人。
だがそんな善人なひとたちも心に傷を隠している。
ほのぼのとした雰囲気なのだが、宮部みゆき節ともいえる光る文章が効いている。
著者の人柄だろうか、人の弱さや強さを優しい目線でとらえている。
やはり宮部みゆきにハズレ無し。
老若男女問わず楽しめる作品だ。
それにしても私自身、久しぶりの宮部作品だったのだが、最近は江戸を舞台にした人情モノを多くてがけている。
が、やはり現代劇の方が私は好きだ。
ほとんど読んでいると思うが、初めて読んだのは「火車」だったと思う。
そのストーリーや構成の見事さにひっくり返るほど驚いたことを覚えている。
もし未読であれば是非。
- 作者: 宮部みゆき
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/05/14
- メディア: 単行本
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