戦いとイメージ〜詩のこと〜

谷川俊太郎 著 「谷川俊太郎詩選集 2」 を読んだ。


大人から子供まで知っている日本の詩人はもはやこの人しかいないのではないだろうか。
日本を代表する詩人と言っていいだろう。
詩選集1は20〜40代の作品、この2では80年代を中心に発表された詩やわらべうたなど中期に作品が紹介されている。


一番最初の作品が「なんでもないものの尊厳」という作品。
いきなりすごい詩だ。
詩、つまり世界と対峙する姿勢というか本質をとらえたものだった。


谷川俊太郎の詩はもちろん牧歌的なものもあるが、
人間や世界や心に迫ったもの、ぎりぎりまでナイフをつきつけたものに魅力がある。
それはもうすごい迫力なのだ。


その強さである。
投げ出さず、見過ごさず、あきらめず、
すべてに真っ向から対峙するその目。
詩人はすごい。


詩の内容は理解できなくても、その言葉の面白さにはっとすることがある。
「1:1」という作品に1分の1の地図という言葉が出てくる。
つまり実物大の地図ということだ。


自分を中心にその地図を頭の中で広げてみると、世界の広さと自分の有限性が見えてくる。
そういう発想。ほんの少しのイメージで世界は違った姿を見せてくれる。
そのきっかけとなるのが詩というわけだ。

硬くなった頭をほぐしてみるためにも、詩にふれてみてはどうだろうか。