怖いモノ見たさ〜魔性の女のこと〜

「”魔性の女”挿絵」展に行って来た。

弥生美術館の企画展。
明治末期から昭和初期にかけて刊行された日本文学における、
魔性の女の挿絵を集めたもの。


私の大好きな谷崎や乱歩の世界には魔性の女がつきものである。
ビアズリーの影響が多分に垣間見えるものが多いが、
男には潜在的に魔性の女に魅かれる何かがあるのではないだろうか。


現代において魔性の女というのはなかなか成立しにくいように思う。
やはり近代の社会性があってこその魔性なのである。
つまり、現代では魔性の女の素質のある人は自立していってしまう。
だが近代ではそこまでは社会が許さないので、男を現代よりも一層強く振り回す必要があったわけだ。


あまり熱く語ると気持ち悪いのでやめておこう。
メジャーな美術館でもない上に、ややマニアックな企画。
それなのにお客の多さに驚いた。それも男女問わず。


見てはいけない世界を見る気持ちで行ってほしい企画展である。