2010-10-01から1ヶ月間の記事一覧

冒険活劇〜八犬伝のこと〜

山田風太郎 著 「八犬伝 上」 を読んだ。 言わずと知れた、滝沢馬琴が長い時間をかけて作り上げた長編伝奇文学の古典だ。 だが、実際に内容を知っている人は少ないのではないだろうか。 以前から興味があったのだが、なかなか機会がなく、 山田風太郎版の八…

粋だけじゃない〜張りのこと〜

上野に出たからには落語である。 というわけで、例によって黒門亭へ。 今回はどの話しも古典の名作だった。 中でも入船亭扇治さんの「笠碁」。 いつも碁を打っている大店の旦那二人。待った、待たないで喧嘩してしまう。 だが、二人とも猛烈に碁が打ちたくて…

黙示録のイメージ〜デューラーのこと〜

「黙示録−デューラー/ルドン」を観た。上野の芸大美術館で始まった企画展。 今週からは西洋美術館でもデューラーの版画と素描展が始まる。 ドイツ史上最高の画家といわれるデューラー。 名前は知らなくても作品は見たことある人も多いと思う。 彼は印刷技術…

ベタだけど深い〜機関車先生のこと〜

伊集院 静 著 「機関車先生」 を読んだ。昭和30年代、戦争の余韻が残る瀬戸内の島に新任教師がやってくる。 7人の小学生の担任になった彼は口をきくことができない。 島の人々との交流と瀬戸内の自然描写で綴った物語だ。 ストーリーはとてもベタである。…

山ガールはいずこ?〜三人飲みのこと〜

Tさん、U君と飲んだ。 秋の山を楽しみたいと思っているのだが、みんな忙しくてなかなか都合がつかないでいる。 そうしているうちに、秋も深まってきてしまったようだ。 相変わらずの三人。色っぽい話しも無い。 以前から、キャッキャッ言いながら山登りた…

全てがある〜吉祥寺のこと〜

芝居を観るために吉祥寺まで行ったのだが、 思えば随分久しぶりのことだった。 芝居の前後に散策してみた。 住みたい町ランキングで常に1位を獲る場所でもある吉祥寺。 それも納得できる。あの町は全てが集約されている。 飲食店、洋服、雑貨屋の量は尋常で…

妖艶なる世界〜演劇・星の王子さまのこと〜

演劇 Project Nyx公演「星の王さま」を観た。寺山修司の伝説の演劇集団、天井桟敷の公演から数十年。 新たな解釈を加えて生まれ変わった。 スペシャルゲストとして初演に出演した蘭妖子と石井くに子、 さらに寺山修司と関わりの深かった、カルメン・マキ、中…

集合〜一族飲みのこと〜

特に何があったわけでもないが、一族集合して飲んだ。 大人8人、子供2人。 チェーン系居酒屋に行ったのだが、驚いたのは子供連れ客の多さだ。 チェーン系の店はあまり行かないので知らなかったが、キッズメニューまであるのだ。 大声出しても迷惑かからな…

奥が深すぎ〜仏像のこと〜

瓜生 中 著「知っておきたい仏像の見方」を読んだ。 仏像関係の本の7割はこの瓜生さんが書いているのではないだろうか。 私も何冊か読んでいる。 その中でもこれは、基礎中の基礎といったところだろうか。 私はなかなかの仏像好きである。 これまで何体の仏…

十人十色〜地元飲みのこと〜

地元グループのKがこっちに来たから飲もうということで、Tと私と3人で飲んだ。 自転車集合で飲めるのは何より嬉しい。 Tの結婚式以来だが、3人で飲むのは久しぶりだ。 とはいえ、集まったところで対して新鮮味もなく、いつものようにダラダラである。 …

許しの芸〜落語のこと〜

アートリンクで上野まで出て、ちょうど良い時間だったので落語を聞きに黒門亭に行った。 今回は上方落語、つまり大阪の落語を聞く機会に恵まれた。 生で上方落語を聞くのは初めてかもしれない。 桂茶がまという落語家さんで、演目は「手水廻し」。 江戸落語…

下町と美術〜アートリンクのこと〜

谷中、根津、千駄木、いわゆる谷根千から上野のエリアをアートでつなぐ、 アートリンクというイベントが開催されている。 美術館やギャラリーが点在するこのエリア、さらに古民家や寺もアートの場となるのだ。 暇さえあればうろつくエリアだが、最近この辺り…

他罰的人間〜私は悪くない症候群のこと〜

香山リカ 著 「悪いのは私じゃない症候群」 を読んだ。 香山リカの本は時代を上手く切り取っていて、 社会を見る視点がとても参考になる。 この作品はタイトルの通りである。 新型うつ、モンスターペアレントやアダルト・チルドレン、スピリチュアル……。 様…

ハイハイ〜不思議ちゃんの本のこと〜

森見登美彦 著 「夜は短歩けよ乙女」 を読んだ。が、途中で挫折した。 久々の挫折である。この世界観にまったくついていけなかった。 京都を舞台に、天然不思議少女を追いかける青年と、次々に現れる奇抜な人たちとの出来事。 だいたい私は不思議ちゃんが嫌…