2012-08-01から1ヶ月間の記事一覧

やっぱりいい人〜さだまさしのこと〜

さだまさし 著 「アントキノイノチ」を読んだ。 映画の宣伝などでタイトルはみんな知っていると思う。 そして、何このタイトルと思ったに違いない。 頭の中にアゴがちらついたことだろう。 私もそうだった。 まさか原作がさだまさしとは。 何を隠そう、私は…

絵具の先の人間愛〜レーピンのこと〜

「国立トレチャコフ美術館所蔵 レーピン展」 を観た。 19世紀後半から20世紀初頭のロシアは素晴らしい芸術家が数多く活躍した時代である。 文学ならドストエフスキー、音楽ならチャイコフスキー。 そして、美術のレーピン。その日本初の本格的回顧展とな…

知る義務〜震災の現実〜

石井光太 著 「遺体―震災、津波の果てに」を読んだ。 3・11の大震災。 岩手県の釜石では1100人を超える死者・行方不明者が出る被害にあった。 マチと言われる沿岸に近いエリアは完全に津波に飲みこまれてしまった。 私たちはニュースで死者の数に驚い…

怖すぎる〜猿の惑星のこと〜

映画 「猿の惑星 創世記(ジェネシス)」 を観た。 猿の惑星シリーズ最新作。 エピソード0的な位置づけで、高度な知能をもった猿の出現の謎が明かされる。 主人公のチンパンヂーのシーザーは故あって高度な知能を得るわけだが、 見た目は普通のチンパンヂー…

ロジックブロック〜話術のこと〜

U君、N、Oさん、Yさんとでうち飲み。 いつものメンバーに加え、今回は才女のYさんが来てくれた。 ささっと料理を作ってくれたり、キシッと片づけてくれたり、感心しっぱなしである。 今回はずいぶんと楽させてもらった。 話し方といのは人それぞれ特徴がある…

再来を期待〜「モテキ」のこと〜

映画 「モテキ」を観た。 R君の結婚式で婚活しようと思うも、一週間で忘れてしまう私。 いかん! ということで、モテキでも観て気持ちを上げてみようかと。 森山未来という役者はなかなか稀有な存在だと思う。 ダメ人間のオーラを出させたら日本一。 人を妬…

人間利休〜「利休にだずねよ」のこと〜

山本兼一 著 「利休にたずねよ」 を読んだ。 第140回直木賞受賞作。 詫び茶を日本に広め、恐ろしいほどの審美眼をもち、その存在は天下人の秀吉をも恐れさせた利休。 その利休の人間像を様々な人物との交流から追っていく。 切腹の日から遡るかたちで、利休…

客寄せパンダ〜マウリッツハイス美術館展のこと〜

「マウリッツハイス美術館展」 に行って来た。 リニューアルオープンした東京都美術館の企画展。 オランダの小さな宝石箱と言われるマウリッツハイス美術館のコレクション。 目玉はこれでもかと宣伝しているフェルメールの代表作「真珠の耳飾りの少女」だ。 …

異形の存在〜大人形博2012のこと〜

「DOLL EXPO2012」に行って来た。 グランドプリンスホテル新高輪で開催中の大人形博。 今年初開催で、公募作品とプロの人形、さらに人形の歴史、とにかく人形だらけの展覧会。 木綿で作ったノスタルジックな人形もあれば、生々しい球体間接人形、伝統的な民…

死の周り〜「死体の経済学」のこと〜

窪田 順生 著 「死体の経済学」 を読んだ。 世の中にはいろんな商売がある。 中には当たり前のように存在しているが、実状は謎の業界もある。 その最たるものが死に関わる業界だ。 葬儀屋に始まり、遺品整理屋、映画にもなった納棺師など、死に関わるサービ…

クロちゃん〜「モールス」のこと〜

映画 「モールス」 を観た。 「ぼくのエリ 200歳の彼女」のハリウッドリメイク。 結論からいうと、オリジナルの劣化版としか言いようがない。 オリジナルがかなりの完成度なので、そもそもなぜリメイクしようとしのか謎である。 ただこの映画には、私が大好…

子どものイノセンス〜安藤正子のこと〜

「ハラドキュメンツ9 安藤正子 おへその庭」 を見た。 若手作家支援と若手キュレーター育成のために不定期に行われる企画。 今回は安藤正子というわけだ。 奈良美智と同じ師のもとで腕を磨いた注目の若手作家。 実物の作品を見るのは初めてだったが、 凄ま…

残念賞〜「文明の子」のこと〜

太田光 著 「文明の子」 を読んだ。 爆笑問題太田光の二作目の小説。 前回の「マボロシの鳥」がすごく良かったので読んでみた。 正直、今回の作品は残念賞である。 伝えたいことが溢れているのは伝わってくるのだが、 小説としてあまりに不完全というか、稚…