恐怖の時間〜算数のこと〜

清水義範 著 西原理恵子 絵 「いやでも楽しめる算数」 を読んだ。


折あるごとに言っているが、子供の頃の私はバカだった。
それも普通のバカではない。トップクラスのバカだった。
算数などは、その存在そのものが恐怖であった。
九九を覚えるのも一番最後だったし、文章問題などは問題の意味すら理解できない。
解こうにも公式が覚えられないのである。


私ほどではないにせよ、算数にトラウマがある人は多いはず。
そんな人たちに向けた算数エッセイである。
これを読んだら算数が得意になるわけではない。好きになることもないだろう。
ただこんな風に教えてくれたら、もう少し変わっていたのではないかとは思った。


「文章問題がいやだったのだ」という章は特に良かった。
つるかめ算、植木算、仕事算、吐き気がする。
つるの足と亀の足などどうでもいいし、水がいっぱいになる時間とか、A君とB君が出会う距離とか知らない! 


文章問題は読解力も養えるし、答えを出すまで相当に脳を活動させる。
あれは確かに子供の発育には必要だと、今なら言える。
面積を大人になって求めることなんてあるのか、と子供の頃は愚痴ったものだが、確かに無い。
ただ数学的なアプローチというのは実社会で必要な場合はある。
精神論に近いものでさえ数学的発想で解決できることすらある。


もっと勉強しておけば良かったなどと言わずに、今勉強するのも悪くない。
ただし、昔以上に覚えられずに自己嫌悪に陥るが。。。

いやでも楽しめる算数 (講談社文庫)

いやでも楽しめる算数 (講談社文庫)