リズムのある文章〜「グラスホッパー」のこと〜

伊坂幸太郎 著 「グラスホッパー」 を読んだ。


著者の作品の中ではわりと初期にあたる作品。
ナイフを使う殺し屋、催眠術で自殺させる殺し屋、交通事故に見せかける押し屋と言われる殺し屋。
三つ巴の戦いに巻き込まれる普通の男。


著者が得意とする時間や空間をバラバラにする構成がこの作品でも映えている。
それぞれの主人公の視点で章が分かれていて、それぞれの物語がつながっていく。


ダブル村上を合わせたような作風と私は思っているのだが、
構成力がある分、ストーリーの不完全さがよく目についてしまう作家でもある。
この作品も然りで、スタイリッシュなハードボイルド感があって、読んでいて少し恥ずかしくなる。。。


ただ先にも書いたように構成や、文章のリズム感はとても素晴らしいかと。

グラスホッパー (角川文庫)

グラスホッパー (角川文庫)