濃厚な生〜牧野邦夫のこと〜

牧野邦夫−写実の精髄」展 に行って来た。


戦後の画壇において、時代や思想の流れに全く影響されず、自分の世界を描き続けた男、牧野邦夫
写実的なのに、その世界は幻想。


レンブラントに傾倒し、自画像を多く描いているのだが、自分の姿をただ描いているわけではない。
甲冑を来ていたり、精霊のようなものが見え隠れしていたり。
ファンタジックだが決して軽いものではない、重くて暗くて、クラクラしてしまうほどだった。


若かりし頃の黒柳徹子肖像画を頼んだこともあるのだが、ネットで探して見てもらいたい。
もはや人間とは思えない。。魔女、魔女である。


何を目指して描き続けたのか、美に、そして己の精神世界に真摯に立ち向かい続けた姿勢が伝わってきた。
その愚直な生き方に私は憧れと畏怖を感じたわけである。
私には到底真似できない。


濃厚な生がうずまく作品世界を覗いてみてはどうだろうか。