2010-01-01から1年間の記事一覧

許しの芸〜落語のこと〜

アートリンクで上野まで出て、ちょうど良い時間だったので落語を聞きに黒門亭に行った。 今回は上方落語、つまり大阪の落語を聞く機会に恵まれた。 生で上方落語を聞くのは初めてかもしれない。 桂茶がまという落語家さんで、演目は「手水廻し」。 江戸落語…

下町と美術〜アートリンクのこと〜

谷中、根津、千駄木、いわゆる谷根千から上野のエリアをアートでつなぐ、 アートリンクというイベントが開催されている。 美術館やギャラリーが点在するこのエリア、さらに古民家や寺もアートの場となるのだ。 暇さえあればうろつくエリアだが、最近この辺り…

他罰的人間〜私は悪くない症候群のこと〜

香山リカ 著 「悪いのは私じゃない症候群」 を読んだ。 香山リカの本は時代を上手く切り取っていて、 社会を見る視点がとても参考になる。 この作品はタイトルの通りである。 新型うつ、モンスターペアレントやアダルト・チルドレン、スピリチュアル……。 様…

ハイハイ〜不思議ちゃんの本のこと〜

森見登美彦 著 「夜は短歩けよ乙女」 を読んだ。が、途中で挫折した。 久々の挫折である。この世界観にまったくついていけなかった。 京都を舞台に、天然不思議少女を追いかける青年と、次々に現れる奇抜な人たちとの出来事。 だいたい私は不思議ちゃんが嫌…

ありがとうクリスさん〜ラジオ番組 BOOMTOWNのこと〜

J-WAVE、9:00から11:30までの番組「BOOM TOWN」が今日で終わった。 実に10年半という長い時間平日毎日放送していて、 仕事中はずっとチャンネルを合わせていたので、ほとんど毎日聞いていた。 ナビゲーターはクリス智子さん。 最高に良い声をして…

あの頃の気持ち〜カラフルのこと〜

森 絵都 著 「カラフル」 を読んだ。現在、アニメ映画が公開中の原作。著者は直木賞作家で児童文学を得意としている。気になったので読んでみた。 罪を犯して死んだ「ぼく」の魂は、天使によって再び下界に降りるチャンスをもらう。 下界で自殺で死ぬはずの…

懲りない面々〜大学飲みのこと〜

先日、大学の頃の友人でもある、FとNッティが泊まりに来た。 外で飲んだとしても、何が何でも泊まろうとするので最初から我が家で飲むことにしたのだ。 すっかり秋めいてきたので、今期初の鍋を用意した。 久しぶりに会っているのだが、まったく久しぶりの…

静謐な世界〜死者のための音楽のこと〜

山白朝子 著 「死者のための音楽」 を読んだ。 ジャンルで言うと怪談になるのかもしれないが、 この作品集はいわゆる怪談とは趣が違う。 怪談と童話の間というのが近いだろうか。 静謐とした語り口で物語りが紡ぎ出される、そういった表現が似合う。 淡々と…

渋滞と雨の旅行〜お泊まりBBQのこと〜

実に久しぶりに旅行に行った。 Tさん、U君、NとOさんの5人でバーベキューができるコテージに泊まった。 いろいろと計画を立ててくれていたのだが、一日目は考えられないほどの渋滞、 翌日はまさかの雨で何もできなかった。 残念と言えば残念だが、何も…

たいしたものではない〜カフェメニュー〜

カフェと聞けば、うるせーと応える私。 洒落臭いたらありゃしない。言うにことかいと”カフェメシ”なんて言葉も作られた。 メシという言葉が嫌いな私にとって最悪な言葉のひとつだ。 大したものでもないのに、やたら高い。それが私の中のカフェメニューである…

米ナスのような水ナス〜絹かわナスのこと〜

野菜ソムリエとして、変わった野菜があれば食べるようにしている。 ブログで紹介しようと思うときには、だいたいすでに食べ終わっているが、 今回は大丈夫。 紹介するのは西条絹かわナスである。 愛媛県の西条市で作られているナスだ。 写真では米ナスに見え…

お風呂に最適〜荻原浩のこと〜

荻原 浩 著 「母恋旅烏」 を読んだ。この作家はとにかく書くのが好きなのだろう。 何冊か作品を読んだが、本当に幅が広い。 シリアスなミステリから、ユーモア溢れる人情モノまで書き分ける。 この作品は後者の方の代表作になっているようだ。 元旅役者で自…

兄弟酒〜兄(叔父)との飲みのこと〜

先日、兄(叔父)が飲みたいというので、うちで二人で飲むことになった。 10歳違いの兄とはよく二人で飲むのだが、半年ぶりくらいになる。 いつもは居酒屋だが、今回はゆっくり私の家で飲もうということになったわけだが、 なにせ兄はよく食べるので用意が…

あまりに人間的〜小説「悪人」のこと〜

吉田修一 著 「悪人」 を読んだ。 映画の公開も間近に迫り、主演の深津絵里が賞を獲ったりと何かと話題の作品である。 結論から言うと、相当に面白い。 ひとつの殺人事件が様々な人の心を揺らし、その波紋が幾つも重なって奇妙な模様を描く。 メインの登場人…

集え同士〜若手の会のこと〜

同業他社の若手が集まる会が催された。 取引先のひとつの時期社長を中心に、そこに取引のある若手が集まった。 この世界は意外と閉鎖的で、同業他社とあまり関わることがないので喜んで参加した。 恵比寿の洒落たスペイン料理屋でワイン片手に乾杯。意外と洒…

増える家族〜東京バンドワゴンのこと〜

小路 幸也 著 「シー・ラブズ・ユー 東京バンドワゴン」 を読んだ。 老舗古本屋を営む堀田家4世代の物語。シリーズ2作目。 舞台となる世界は実に狭いのだが、登場人物の多さは半端無い。 にもかかわらず、キャラクターが立っているので混同することもなく…

マダム3〜結婚式のこと その3〜

式のあと、せっかく全員集まったので近くのカフェで無駄話。 マダムスリーこと女子メンバーは子育てから解放され、久しぶりのドレスアップでテンションが上がっている。 よくしゃべること。その内容の恐ろしいこと。 この人たちを敵に回したらアウトだ、そう…

まさかの嵐〜結婚式のこと その2〜

披露宴の席は新郎新婦の真正面。いい度胸している。 名札カードには花嫁Eさんから「里帰り中、Tをよろしくお願いします」と書いてあった。イヤだ。 入場シーンはいつ見ても笑える。入場って何だろうか。音楽に乗せて入場。私にはできない。 お決まりの長い…

バージンロードの侍〜Tの結婚式のこと その1〜

ついにTの結婚式が来た。 嫁より目立ってやると意気込んでいた恐妻Aと駅で待ち合わせして式場に向かった。 「カワイイだろ?」といつものように確認をとるA。その後約7回聞かれることになる。 さっそくホテルで迷子になっていると、写真撮影しているTと…

恒例の儀式〜式前の接待〜

今週末、親友Tの結婚式がある。 式の前にということで、二人で飲みに行った。 もう籍は入れているが、式をやらないとまだ独身と同じようなものだ。 地元グループのメンバーが結婚する前には、男も女もご馳走することにしている。 独身レギュラーメンバーは…

目覚めた獅子〜中国のこと〜

養老猛司・王敏 著、「君子の交わり、小人の交わり 日中関係を90度ずらす」 を読んだ。 バカの壁でお馴染みの養老猛司と日中異文化研究の第一人者である王敏さんの対談。 期待していたような内容ではなかった。 個人レベルで日中関係を考える上で、文化の違…

爽やかな日曜〜尼ヶ禿山登山のこと〜

Tさん、U君と共に群馬県にある尼ヶ禿山に行った。玉原高原という場所にあるのだが、山に行くまでに湿地帯やブナ林を抜けていく。 暑い日だったが、ブナの木陰の中を爽やかな風が吹いて、最高に気持ちが良かった。 個人的にとても気に入った。湿地があると…

和エロ〜あやめの衣のこと〜

最乗寺をあとにして、小田原方面に向かっていると箱根の標識を発見。 これは二度とないチャンスだ。そう、ポーラ美術館に行くチャンスである。 彫刻の森美術館は誰でも楽しめるが、ここは絵が好きでないと楽しめない場所なのだ。 箱根の渋滞をすり抜け、山道…

下駄、でかっ!〜最乗寺のこと〜

以前から行きたかった、天狗寺としてお馴染みの大雄山最乗寺に行って来た。 前日に結構飲んだのに早起きしたので、バイクにまたがり東名高速で大井松田まで、そこからすぐである。 曹洞宗の修行寺であるこの寺は立派な杉林を抜けた山の中にあった。 静謐にし…

この疲労感は何〜大勢飲みのこと〜

先日、N主催の韓国料理を食べる会に行った。 5人と聞いていたのに、まさかの9人。 大勢が苦手な上に、知らない人まで。 ワイワイ飲むのは嫌いではない。嫌いではないけど苦手なのである。 大勢の中にいると、 ――あれ、私はここで何をしているんだろう? …

付き合いで世界は回る〜東京バンドワゴンのこと〜

小路 幸也 著 「東京バンドワゴン」 を読んだ。 舞台は東京下町。 明治から続く古本屋(今はカフェを併設)を営む大家族堀田家に巻き起こる様々なエピソードを描いた人気シリーズ第一弾。 寺内貫太郎一家のオマージュともいえる、下町らしい人情劇だ。 なん…

科学だけでは語れない〜モジャ恋愛論のこと〜

茂木 健一郎 著 「脳は0.1秒で恋をする」を読んだ。 モジャモジャ脳科学者こと茂木健一郎が恋にまつわることを脳科学的に考察した内容。 とはいえ、それほど科学的でもなかった。 一目惚れする瞬間、相手を観察するとき、脳のどの部分が活発に動くか、 と判…

平和な一日〜集まれ地元組のこと〜

T夫婦とY嬢一家が我が家にやってきた。 目的はTの新妻EさんをY嬢に紹介するため、 そして地元グループで地元に残ってる組の結束を固めるためである。 それにしても独身男の家にふた家族が集まるというのもどうだろう。 例によって、せかせかと準備を整…

愛の多様性〜恋愛小説のこと〜

石田衣良 著 「愛がいない部屋」 を読んだ。 石田衣良の作品は前にも読んだが、何が面白いのかさっぱりだった。 そんな作家の恋愛小説短編集。 だいたい、私は恋愛小説をほとんど読まない。 結果、やっぱり面白くなかったわけだが、死ぬほどつまらないという…

異形の世界〜ブリューゲルのこと〜

「ブリューゲル 版画の世界」を観た。16世紀ネーデルランドの画家ブリューゲル。バベルの塔の絵などで日本でもお馴染みの画家だ。 私もいろんな美術館でブリューゲルの絵を見ているが、どれも細かくて観ていて楽しいものばかりだ。 今回はそのブリューゲル…