目覚めた獅子〜中国のこと〜

養老猛司・王敏 著、「君子の交わり、小人の交わり 日中関係を90度ずらす」 を読んだ。


バカの壁でお馴染みの養老猛司と日中異文化研究の第一人者である王敏さんの対談。
期待していたような内容ではなかった。


個人レベルで日中関係を考える上で、文化の違いというものの大きさをいかに捉えるか
その重要性を説いていて、その点では興味深い箇所もあった。


急速な経済成長の中で中国、いや中国人の意識も急速に変わっている。
それに伴い日本人も中国に対して理解を深めていく必要がある。
だがこれが難しい。日本と中国の間には個人レベルでも溝が大きい気がする。


養老さんも言っているが、中国は大きすぎる。あまりに大き過ぎる。
だから私たちに頭の中にある中国は一部である。木を見て森を見ずというものだ。
なるほど、考えてみると中国のどこを見て中国と言えばよいのか。


だいたい中国って何? ということになる。
私は北京方面と広州方面と二度行っているが、様子はまるで違う。今はもっと違うだろう。
とりあえず、もう少し中国という国を知らないと話しにならないと反省した。


とはいえ、正直、マイノリティーに対する激しい弾圧、国による情報管理、
これは国際社会において無視できることではない。
特にウイグル自治区チベットの問題は個人的に関心がある。
そしてそれが解決されない限り、私個人として中国という国を認められない。


だが、だからといって中国人を嫌うというのは間違っている。それくらいはわかっている。
私も仕事で中国人の方と話すことがあるが、陽気だしとにかく元気だ。
中国の文化、思想を完全に理解することはできない。
この本のサブタイトルのように90度ずらしてみる。
こういうものだと受け流す。無視ではない、こういうものなんだと納得することが必要だろう。


とにかく現時点では、私はあまり何も言えない。
もう少し知ってから、あらためて中国文化について考えたい。