愛の多様性〜恋愛小説のこと〜

石田衣良 著 「愛がいない部屋」 を読んだ。


石田衣良の作品は前にも読んだが、何が面白いのかさっぱりだった。
そんな作家の恋愛小説短編集。
だいたい、私は恋愛小説をほとんど読まない。
結果、やっぱり面白くなかったわけだが、死ぬほどつまらないということもない。
普通。。。
例のごとくお風呂で読むにはちょうど良いかもしれない。


恋愛小説って何だろうと思う。何で書くの? 何で読むの? って思ってしまうのだ。
しかもそこに性描写なんかが入ってくると、どの面さげて書くんだろうと冷めてしまう。
恋愛映画なら普通に観られるのだが。。。


そんな私の好きな恋愛小説となると、、まぁこれを恋愛小説と呼べるのか謎だが、
谷崎潤一郎の「痴人の愛」か「春琴抄」になるだろう。
あるいは、乱歩の「人でなしの恋」か「人間椅子」だ。


変態と言われそうだが、別に私はいたって普通である。
確かにこの四つの作品はパラノイア的な歪んだ愛を描いた作品たちだ。
だがこれらの中で描かれている愛情はまっすぐだ。まっすぐだが蠱惑的なのである。


歪曲しているが、安定している恋愛感情。それを描いている恋愛小説が好みである。
……書いていて、やはり少しまずいような気がしていきた。
いや、大丈夫、私自身は大丈夫。

愛がいない部屋 (集英社文庫)

愛がいない部屋 (集英社文庫)