黙示録のイメージ〜デューラーのこと〜
「黙示録−デューラー/ルドン」を観た。
上野の芸大美術館で始まった企画展。
今週からは西洋美術館でもデューラーの版画と素描展が始まる。
ドイツ史上最高の画家といわれるデューラー。
名前は知らなくても作品は見たことある人も多いと思う。
彼は印刷技術が向上したルネサンス期において、黙示録の木版画集を出版した。
この企画展ではその版画とそれに影響された後世の黙示録を集めたものである。
黙示録というのは、新約聖書の最後の予言書。
一般的に世界の破滅と再生を予言したものといわれる。
その黙示録の様々なシーンを緻密な描写で版画として世に送り出したのだ。
これがとにかく良い。
黙示録のもつ破壊と創造のイメージを余すことなく表現している。
現代の私たちから見ると、何処かファンタジックなイラストのようにも思えるが、
当時の人たちには衝撃的な本だったのではないだろうか。
はっきりとした輪郭線をもつ絵やイラストが私は好きなので、
少し前に観に行ったブリューゲル版画展もそうだが、
版画、しかも宗教的モチーフの版画には惹かれるのである。
西洋美術館でのデューラー展も見逃せない。
ちなみにこの芸大美術館はとても立派だが、だいたい空いているのでゆっくり楽しめる。