残念賞〜「文明の子」のこと〜

太田光　著　「文明の子」　を読んだ。

爆笑問題太田光の二作目の小説。
前回の「マボロシの鳥」がすごく良かったので読んでみた。

正直、今回の作品は残念賞である。
伝えたいことが溢れているのは伝わってくるのだが、
小説としてあまりに不完全というか、稚拙な印象を受けてしまった。

個人的に太田光という人が好きだし、ラジオ等でその主義主張は聞いている。
だからこそある程度は作者の意図を汲んで読むことができたが、
普通に読んだら面白くないと思う人の方が多いような気がする。

ただ前作同様に文章の根底に流れる雰囲気みたいなものは、やはり嫌いではない。
それは、照れというかモガキというか、作者である太田光丸出しな感じ。
その人間らしい魅力は今回の作品でもよく出ているし、それは職業作家では出せないものだと思う。

辛辣なレビューも多いようだが、懲りずにまた書いてほしいと思う。

文明の子