やっぱりいい人〜さだまさしのこと〜

さだまさし 著 「アントキノイノチ」を読んだ。


映画の宣伝などでタイトルはみんな知っていると思う。
そして、何このタイトルと思ったに違いない。
頭の中にアゴがちらついたことだろう。
私もそうだった。


まさか原作がさだまさしとは。
何を隠そう、私はさだまさしが大好きだ。さだまさしの曲はもう小説なのである。
そのさだまさしが書いた本が悪いわけがない。


解夏」を読んだとき、さだまさしはきっと本当に良い人なんだろうと確信したものだが、
この作品もさだまさしという人間が良く出ている。
どうしようもなく、良い人なのだ。


主人公杏平は高校時代の友人の悪意に対して2度も殺意を抱く事件を経て、心の扉を閉ざしていく。
しかし、遺品整理という仕事を通じて、生きる力を得、さらに命について深く考えるゆきとの出会いを経て、成長していく物語だ。


少し前に「死体の経済学」という本で知った遺品整理という仕事。今、本当に増えているようだ。
実際にある会社と人物たちとの取材を経て作品にしたようだ。


物語の流れはなんてことはない。
ただもう、さだまさし、それだけである。
それだけで十分な気がする。

このタイトルの意味も読めば納得できる。
アントキノイノチ
読んだ後はきっとつぶやきたくなるだろう。


アントキノイノチ

アントキノイノチ