政治と国民の距離〜ネットと選挙のこと〜
津田大介 著 「ウェブで政治を動かす!」 を読んだ。
オバマ米大統領が選挙の際にネット上の活動で多くの支持を得たわけだが、
日本においては、公職選挙法によってネット上の選挙活動は禁じられている。
ネットインフラは世界トップクラスなのに、である。
ここにきて、ようやく法律改正の動きがみられるようになった。
ツイッターで頭角を現した金髪ジャーナリストの著者が
ネット選挙活動解禁を念頭に置いて、その有効性と問題点を丁寧に解説している。
若者の政治離れが叫ばれて久しいが、私個人も選挙は必ず行くものの、
国会や政治家の動きに注視しているわけではない。
新聞などの情報でざっくり把握して選挙に臨んでいる。
だがネットによる選挙活動が解禁になればどうだろう。
政治家と国民の距離はぐっと短くなるはずだ。
ツイッター、SNS、ニコ生、ネット上には様々なコンテンツがあり、
それらをうまく使い分けることで、
私たちは政治家の生の意見を聞けるし、こちらの声を届けることもできる。
氏はネット解禁によってすぐに大きく変わることはないという。
しかし、政治家が民意に注目せざるをえない状況に追い込むことができるし、
政局にうんざりすることなく、政策そのものに私たちはコミットすることができると考える。
この本は解説書のような体裁だが、国民一人ひとりがもっと積極的に政治に参加すべきという強いメッセージがある。
津田氏はブレイク前からラジオなどで知っていたが、基本的にクールで適当なイメージだった。
そんな彼が今や政治のありかたを少しでも変えようと孤軍奮闘している。
その姿勢そのものに何か揺さぶられる思いがする。
与党が変わっても変わらない、どうせ国民の意志は通じない。
そんな思いは確かにぬぐえないものがある。
だからといって、このままではいけない。
変える可能性がある状況はあるということをまず認識すること。
そこから国民主権の重みを感じることになるはず。
今後の選挙運動のありかたと、著者の動きに注目である。
- 作者: 津田大介
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2012/11/13
- メディア: 新書
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