美術って何?〜会田誠のこと〜

会田誠 展 天才でごめんなさい」 に行った。


日本の現代アートを代表するアーティストである会田誠
刺激的すぎる作品はなかなか展示されることがなかったが、ついに個展が開かれることになった。


古典作品に現代の思想を乗せるというのが、会田誠の表現方法の代表的なものだ。
風神雷神図のように日本と韓国の少女を対峙させた屏風はわかりやすい。
宗達光琳などの作品を意識的に引用し、そこに戦争などの人間の業をみせる。
すごく挑発的だ。


しかしその挑発はこんなものにとどまらない。
彼の作品は相対するものを合せることが多いが、その最たるものがエロチシズムとグロテスク。
エログロといえばそれまでなのだが、これが引くほどなのだ。


今回18禁の部屋が作られているのだが、恐らく気分が害する人はかなり多いと思う。
実際、性差別として問題視されてもいる。
正直、私もこれはちょっとと思ったが、ここが難しいところ。


つまり完全に観る者を試しているのである。
両手両足が切断された少女に首輪がついていて、タイトルが犬である。
人間の根源的にある良心への挑発であり、表現の自由の限界への挑戦ともいえる。
ものすごい嫌悪感を感じるが、完全に否定しきれないものを自分の中に見出したりもする。


エロス、グロテスク、そして死。
そのタブーとされるものをあえてテーマとして表現する会田誠はやはり天才なのか、ただの変人なのか。
家族連れはもちろん、カップルで行っても変な空気になること間違いなしの企画展。
これで現代アートが嫌いになる人も増えることだろう。。。


ただ現代を現代の視点で描く現代アートは今見なくては意味がない。
特に会田誠の作品はその性質からなかなか見られないと思うので、機会があれば是非。
ただ一人で行くことをお勧めする。