夢と仕事〜「下町ロケット」のこと〜

池井戸潤 著 「下町ロケット」 を読んだ。


大田区の中小企業である佃製作所は独自の技術力を活かした経営をしている。
だが突然、大手取引先を失い、さらにライバル企業から狡猾な特許侵害の訴訟を起こされる。
銀行からも見放され、あとが無くなるが、、、。


さらにストーリーは大きく展開していく。
かつて失敗した国産ロケット打ち上げに関われるチャンスが巡ってくる。
特許使用料で稼ぐか、部品販売で稼ぐか。それぞれの思惑が交差していく。
それには巨大企業と夢とプライドをかけた戦いが待ち受けていた。


とてもエンターテインメント性の高い企業小説だ。
ストーリー展開も早く、ページをめくる手が止まらない。
企業小説というと難しそうだが、この作品は記号化されていて単純に面白い。
仕事をしている者なら全員面白いと思うはず。


小さいものが大きいものを倒す、という日本人が大好きな柔道構造。
わかっているけど面白い。
仕事に対する姿勢、役職と平社員との意識格差、経営の難しさ、いろんな要素がつまっている。


今の仕事と自分の夢をつなげることは正直難しい。
モチベーションをどこにもっていくか常に悩んでいる。
でもつまらないとぼやいていても仕方がない。
仕事のどこかに価値を、意味を、未来を見出さないといけないわけである。


仕事について考える良いきっかけになること間違いなし。
おすすめだ。

下町ロケット

下町ロケット