いつか来る日〜Tの親父さんのこと〜

Tの親父さんのお通夜に行った。


3年くらい前から入退院を繰り返しながら闘病していて、心からお疲れ様と言いたい。


Tの親父さんは私の父と同い年で同じ新潟県出身なので縁を感じたものだ。
気軽にしゃべるタイプではないが、家に遊びに行けば「おう、来たか」なんて声かけてくれる感じだった。
そんな親父さんが亡くなってしまった。


Tとの関係は良いとは言えなかったが、それでも体を壊してからはお互いに歩み寄っていた。
稼業をきちんと継ぎ、孫の顔を見せたTは息子として、父親にできることはすべてしたと思う。
とても立派だと思う。


棺の中の親父さんは確かに亡くなっていた。競馬新聞と四季報を胸に抱き、作業着を着ていた。
「ああ、人って死ぬんだな」
あらためて思った。


地元メンバーが集まり、通夜ぶるまいで神妙にしていたのは最初の5分くらいだったと思う。
帰りにファミレスに行ったが、もう喪服だということを完全に忘れている始末である。
でも、こうして自分の子供の友達がお別れに来て、飲んで笑ってくれるのも幸せかな。
なんて言い訳を考えながら、別れの日は過ぎていった。


本当にお疲れさまでした。また挨拶に行きます。