それはそれは恐ろしいもの〜物の怪のこと〜

お伽草子 この国は物語にあふれている」 を見た。


サントリー美術館の企画展。
室町から江戸まで、日本ではさまざまな物語が生まれ、伝承されてきた。
その時々の文化を反映した物語が絵巻物などに描かれ、後世に伝えらてきたことは、実に興味深いことだ。
今回は、一寸法師酒呑童子の物語から、百鬼夜行にいたるまで、お伽の世界を堪能できる企画展になっている。


特に私が見たかったのが、百鬼夜行付喪神(つくもがみ)たち。
長い年月を経た道具が異形のものへと変わる。
それらは日常的に使われる道具たちで、日本人のモノを大切にすることの美徳がこの神を生み出したのだろう。


鼠草子はネズミが人間の奥さんをもらうも、バレて逃げ出され、妻が残していった物をみながら悲しむという話。
哀愁漂うが、ネズミだけにユーモラスである。
こういった擬人化は日本人が好むところであり、それは現代のアニメにも通じている気がした。


それにしても現在、妖怪は畠中恵しゃばけシリーズやマンガだと夏目友人帳百鬼夜行抄など、
ずいぶんと親しみやすいイメージが作られている。
水木しげる化野燐京極夏彦などの本格妖怪派の作品も、結局は妖怪のリアルさを消してしまった気がしないこともない。


何が言いたいのかよくわからないが、
妖怪はたぶん、メチャクチャに怖いと思う、ということ。
もっと、恐ろしいものとして描いて子供たちを怯えさせること。
それが今必要な教育のひとつなのではないかと、思ったりするのだが。。。どうだろう?