本屋大賞な感じ〜「舟を編む」のこと〜

三浦しをん 著 「舟を編む」を読んだ。


今年の本屋大賞受賞作。
本屋大賞自体が疑わしいと思うようになり、「神様のカルテ」でこりゃダメだと思ったわけだが、
それでも売れるのが本屋大賞である。
とりあえず読んでみた。


長い年月と努力を必要とする辞書の編集を通じて、人が成長し、出会い、言葉と人と生きることの本質を考えていく。
辞書の編集というなかなか知ることができない仕事に注目したのは面白い。
言葉を定義することの難しさや、膨大なページ数を校正する仕事量、辞書の紙の重要性。
こうして、なかなか見られない世界を見せてくれるのは本の面白いところだ。


だが、本屋大賞はそれだけでは受賞できない。
恋。
それもほのぼのしたやつ。
私はほのぼのの押し売りと言っている。


仕事には愛情をもって打ち込み、
それをほのぼの支え合い、
言葉少なく理解しあう。
うるせー、である。


さっそく来年に映画化。
出た! 宮崎あおい


馬鹿にしまくっているようだが、つまらなくはない。
三人の視点によって章が分かれてい、三者三様の生き方と苦悩がよく出ていたと思う。
とにかく、辞書編集という着眼点に一本といった作品だった。




舟を編む

舟を編む