熱狂の時代〜70年代のこと〜

日本の70年代 1968-1982」 を見た。


埼玉県立近代美術館の企画展。
70年代。大阪万博学生運動、アングラ演劇、ぴあやananの創刊、フォークとロック、若いエネルギーが噴出していた熱い時代だ。
芸術も非常にエネルギーにみちていた。


横尾忠則金子國義森山大道澁澤龍彦宇野亜喜良寺山修司四谷シモン、ハッピーエンド、私も大好きな人たちが活躍した時代でもある。
カウンターカルチャーであり、原点回帰の側面もある表現が多いのが特徴的だ。


面白かったのは大阪万博で異彩を放っていたという”せんい館”に関する展示だ。
横尾忠則がデザインしたパビリオンの中には、四谷シモンが作った「ルネ・マグリットの男」という奇怪な人形がずらりと並んでいたらしい。
サイケな映像と音楽。アヴァンギャルド過ぎてわけわからなかったことだろう。


とにかく混沌としていた時代だったということが、展示内容からよくわかる。
青臭い自己主張は、現代の若い人にはどう映ることだろう。
ただ、どこかで70年代の熱狂を日本人は愛おしく思っているような気がする。


平和、安全、秩序、そういった保守的なものが尊ばれる現代からみると、異国のようだ。
だが、そういった時代を経て今があるということ。
あの狂ったようなものが日本の中に眠っているということなのだ。


それにしても、時代というのは面白いものだ。
狂った70年代、バブルな80年代、失われた90年代、ネットでつながるゼロ年代
これからどんな時代が来るのだろう。
昔が良かったなんて言わずに、今の時代を楽しみたいものである。