思えばよく知らない〜鎌倉のこと〜

高田崇史 著 「QED ventus〈鎌倉の闇〉」 を読んだ。

QEDシリーズを読むのは2冊目。第一作目の「百人一首の呪」はメフィスト賞をとっていて、これがなかなか面白い。
ミステリーではあるのだが、大部分は歴史の謎に迫ることがこのシリーズの特徴になっている。


今回読んだ作品は鎌倉が舞台。
なぜ頼朝がこの地に幕府を開いたか、北条氏との関係はどういうものなのか、なぜ三代で途絶えたのか。
鎌倉をめぐりながらその謎に迫る。
ミステリーなのでこの謎に強引に関係する感じで殺人事件も起こるが、蛇足的に思えて仕方ない。


鎌倉は何度も行っているが、よく考えてみると知らないことだらけだ。
巻頭には鎌倉の地図もついているので、登場人物たちが巡るルートを追うことができる。
探偵役でもあるタタルの異常なほどの歴史知識と考察にふむふむうなずきながら、脳内旅行を楽しんだ。


時々、電車やバイクで鎌倉に行く。近くて旅行気分を楽しめる便利な場所だ。
個人的には覚園寺という寺がおすすめ。
ここには私の大好きな十二神将があるからだ。
この寺は1時間毎に寺の人に案内してもらう形式になっている。
あまり観光客もいない隠れた名刹だ。


今年は久しぶりに鎌倉に行ってみようか。
そう思った人は、是非この作品を読んでみてはどうだろう。
鎌倉を見る目が少し変わるかもしれない。

QED~ventus~〈鎌倉の闇〉 (講談社文庫)

QED~ventus~〈鎌倉の闇〉 (講談社文庫)