美の歴史を追え〜エルミタージュ美術館展のこと〜

エルミタージュ美術館展」 を見た。


国立新美術館で開催中の企画展。
ロシアのサンクトペテルブルクにある巨大美術館だが、所蔵数は300万点。
女帝であり、大帝と言われたエカテリーナ2世のコレクションが発端となっている。


今回、選りすぐりの作品89点が東京にやってきている。
16世紀ルネサンスから20世紀アヴァンギャルドまで400年の絵画史を楽しむことができる。
作品数は多いとは言えないが、どれも見応えがあった。


やはり絵画の歴史を追いながら作品を見ていくと面白い。
今回良かったのはロココから新古典主義の作品。
世界史上、最も美しいと言われる王妃エリザベート肖像画(長い豊かな髪を見せながら振り返っている図でお馴染み)の作者、
ヴィンターハルターが描いたマリア・アレクサンドロヴナ肖像画だ。


夫が多くの妾を抱えていることを我慢しながら、薄幸な人生を送った人。
その悲哀がにじみ出ている作品。
見ているだけで悲しくなる。ヴィンターハルターが描いたことは彼女にとって幸福となったのではないだろうか。
恐らくだが、女性の目で見たらより深い印象を受けるような気がする。


他にも今回の目玉でもあるマティスの「赤のハーモニー」
ジョシュア・レノルズ 「ウェヌスの帯を解くクピド」も良かった。
展示されている作品はいろいろと逸話が多いものが多い。
音声ガイドを利用したのは正解だったようだ。


優雅な時間を過ごせること間違いなし。
7月16日まで楽しめる。是非。