人生賛歌〜ロベール・ドアノーのこと〜

ロベール・ドアノー 生誕100年記念写真展」 を観た。


写真美術館で開催中の企画展。
誰しもが一度は見たことのある写真「パリ市庁舎前のキス」。
世界一有名なキスと言っても過言ではないだろう。
この一枚がパリへの憧憬を強くさせる。


今回、パリを愛し、人を愛した写真家ドアノーの作品を楽しむことができる。
正直、彼の他の作品を見るのは初めてだったのだが、考えていたものとはまるで違った。
それはパリの街に息づく人々の自然な表情、当たり前の風景があり、
著名人のポートレートに関しては、その距離感が実に暖かいのだ。


それはもう人生賛美の詩のようなのだ。
久しぶりにカタログを買った。
こういう写真が撮れたら素晴らしいだろうと思いながら、見返している。


今回は「フェリーチェ・ベアトの東洋」、「幻のモダニスト 写真家堀野正雄の世界」も併せてみてきた。
前者は写真黎明期において、日本や朝鮮を撮影した貴重な写真を見ることができる。
後者は日本の近代写真家として再評価されている堀野正雄の作品に触れられる。
昭和初期のモダニズムは私が大好きな世界なので、とても楽しめた。


写真美術館、本当に楽しい場所である。
恵比寿から目黒駅まで目黒川沿いを歩いてみた。
花見には最高の日だったので、歩くのも大変なくらいだった。
酒に酔う人たちを知ってか知らずか、桜は満開に咲き誇っていた。