廃墟萌え〜ユベール・ロベールのこと〜

ユベール・ロベール 時間の庭」 を見た。


国立西洋美術館で開催中の企画展。
ポンペイなどの遺跡発掘が盛り上がった18世紀フランスの画家、ユベール・ロベールの作品展。
彼は「廃墟のロベール」の異名を持つ。
まさに遺跡などの廃墟をロマンチズム溢れる構成で描く。


遺跡や実際にある故郷の風景を空想的に織り交ぜた絵画をカプリッチョというのだが、
その作品が本当にすばらしい。
これはもう萌えである。
廃墟萌えである。


ロベールの空間構成のセンスは実際の庭園設計にも発揮されたそうだ。
彼の描く遺跡や廃墟のまわりには洗濯している女や休んでいる男が当たり前のように描かれている。
そうすることで、遺跡や廃墟が日常世を帯び、よりそれらが内含している神聖的な価値をほのめかしている。


フランス革命で投獄されてしまうのだが、その牢獄の皿に絵を描いたものが展示されていた。
彼にとって描くということが人生そのものだったのだろう。
ロマン的な画風に負けない、ロマン溢れる画家だったようだ。


想像以上に楽しめる。おすすめだ。