絆と強さ〜山崎家のこと〜

山崎大地 著 「宇宙家族ヤマザキ」 を読んだ。


昨年、ディスカバリーで宇宙へと旅立ち、先日JAXAを引退した宇宙飛行士の山崎直子さん。
著者はその旦那さんである。あのなかなかの男前でお馴染みの人である。


なんかスマートな人生送っちゃってるんじゃないの? と思っていたがこの本には苦悩の日々がつづられていた。
宇宙飛行士という夢を追う妻のために、自分の夢を諦め、一人娘の子育てをしながらも、重度の痴ほう症を患った良心の介護をし、
一度は離婚調停までに夫婦関係はこじれる。
それを乗り越え、宇宙に行くことが決まってからは猛然と妻のサポート役に徹する。


当然、家族愛あふれる内容になっているが、
それ以上に宇宙に行くまでの道のりの長さ、
日本の宇宙開発事業の未熟さ、一方でNASAの凄さがつづれている。
なかなか知ることのできない実状が伺えて興味深かった。


一人きままな生活を送る私には到底想像もつかないストーリーだ。
今しきりに言われる”絆”というもの、そして家族を守る”強さの形”というものを考えさえれた。


大きい存在となっていくパートナーを見ながら、どうやって自分の価値を見出すか。
これはとても大きなテーマだと思う。
一人の人間として、男として、夫として、父として、、、
ひとつ言えることは、彼は強いということだ。


日本発のママさん宇宙飛行士なるべくして、本当にその夢を叶えた直子さんは今、第2子を妊娠中。
今まで家族のために時間をさけられなかった分、これからはきっと良き母となるのだろう。
なんだかマンガみたいな家族である。


パートナーとの関係に疑問を持ったら、一緒に読んでみるのもいいかもしれない。一読の価値はある。

宇宙家族ヤマザキ

宇宙家族ヤマザキ