世界を知る〜世界報道写真展のこと〜

世界報道写真展 2011」 を見た。


毎年、かかさずに見に行っている世界報道写真展
今年も恵比寿の写真美術館で始まった。
その名の通り、世界中の報道カメラマンが撮影した写真のコンクールである。
今、世界で何が起こっているか。
1枚の写真が語る真実はあまりにも衝撃的である。


今年は例年にも増して衝撃的な写真が多かった気がする。
今回大賞を受賞した写真は耳と鼻を削がれた女性のポートレートである。
アフガンの女性なのだが、義理の家族の暴力から逃れるために実家に帰ったが、
これは逃亡の罪にあたり、夫によって耳と花を切り落とされたのである。その後保護されたわけだが、その写真の衝撃たるやない。
あるいは、麻薬絡みの抗争が絶えないメキシコの路上に置かれた生首、ハイチ地震の死体の山に死体を放り投げる瞬間。。。


目を背けたくなるが、それは間違いなく現実なのである。


報道の自由が確保されている日本ではあるが、普通に生活していても入ってくる情報は画一的である。
遠い国で起きていることが淡々と報道されるが、それはやはり対岸の火事であり、現実味が感じられない。
だが、報道写真展の写真の威力たるや半端ではない。
全く知らない現実を突きつけられるし、知っていると思っていたことが実はほんの氷山の一角であったりする。


今回は東日本大震災の写真もスライドショーで見ることができる。
未曾有の悲劇を世界に伝えるために、今も写真家たちがシャッターを押しているのだ。


会場を見てみるといつも海外の人が多い。そのあたりの意識が高いのかもしれない。
この報道写真展は写真に興味がなくても、是非一度見に行ってほしいと思っている。
絶対に損はしない。
きっと自分の視野の狭さを痛感するはずだ。
世界の広さを知り、文化の多様性を知り、知るということの意味を知る。
本当に有意義なものなのだ。


8月7日まで開催されている。
少しでも興味が湧いたら、その目で確かめてほしい。