つまりは超人〜羅漢さんのこと〜

幕末の絵師 狩野一信 五百羅漢」 を観た。

廃仏毀釈や戦災をもくぐり抜けた、増上寺秘蔵の仏画を一挙公開ということで話題になっていた企画展。
羅漢さんたちの日常や活躍を百幅もの作品にまとめたもので、その全てを一気に見る機会はそうあるものじゃない。
ぎりぎり最終日に行けた。場所は両国にある江戸東京博物館。ちなみにここはバイクが無料で停められる素敵な場所のひとつ。


大胆な構図と極彩色の色、何より狂気的に書き込まれた画面に引き込まれる。
一枚、一枚がとにかく大きい。だいたい170×85もあり、そこに細部に至るまで書き込まれているので、一枚見るのにも時間がかかる。
仏画というにはあまりに人間的なのだが、常人ならざる鬼気迫るものも感じる。
この怪しい感じ。私の好みである。


羅漢というのは、尊敬される聖人で高僧である。
十六羅漢や五百羅漢など、信仰の対象になっているわけで。
厳しい修行を乗り越えたその姿は厳しくも、達観した様子である。


目黒に、その名も五百羅漢寺という寺があり、ここには回廊式の展示室に約300体の羅漢さんの仏像が並んでいる。
江戸の頃は名所の一つであったが、今は仏像好きしかあまり来ないかもしれない。
以前、一人で行ったことがあるのだが、他のお客もおらず、若干怖い思いをした記憶がある。
寄木造りの仏像なのだが、表情がどれも個性的で見ていると面白い。
一見の価値はある。


さて、羅漢ブームの再来は来るだろうか?