人生の光と闇〜レンブラントのこと〜

「レンブラント　光の探求／闇の誘惑」　を観た。

国立西洋美術館で開催中の企画展。
レンブラントの光の描写に注目し、今まであまり展示されてこなかった版画を中心とした展示になっている。
彼の版画はとにかく黒い、そして細かい。

オペラグラスを持っていけば良かったと思うほど細かい。
だいたい、混み過ぎてなかなか近くで見られない。雨のせいもあってか、大変な混みよう。
そんなにレンブラント好きじゃないだろうと思うのだが。。。

最近は浮世絵も含め版画が気になって仕方ない私。
正直、今回レンブラントの版画には心底驚いた。
とにかくその描写力。エッチングの技術が異常である。
そして今回の展示で面白いのが、紙。

レンブラントは紙にこだわった。特に和紙の出す色合いにひかれたのである。
今回は違う紙に刷られた作品を比較展示してあるのだ。
これがなかなか面白かった。
刷っていく途中で作品に手を加えて修正するなど、その飽くなき探求の姿勢が垣間見えた。

栄華の極みを見たレンブラントではあるが、戦争によるデフレによって破産し、最終的には共同墓地へと葬られる悲しい運命を辿った画家。
光と闇。
自身の人生でもそれを表現しているのだ。
レンブラントの光と闇を自分の目で確かめてみてはいかがだろうか。