人生もバーもいろいろ〜二つのバーのこと〜

夜、Tと飲みいくかということになった。
自転車で何処に行こうかとフラフラしていて、気づいたら浅草まで来てしまった。
シャッターの下りた仲見世を自転車で走ると、なんだか中学の頃を思い出す。
つまりやっていることが変わっていないわけだが。


路地裏に吉原の花魁をイメージしたバーというものを発見したので、入ってみた。
2階にあるのだが、狭いスペースは朱色に塗られていて、畳敷きの座敷もある。
マスターは間違いなくのんけではないようだ。
お客は着物を着た女性が一人いた。
なるほど、こういうのが好きな人は楽しいかもしれない。
Tは渋い顔をしていたが。。。


一杯飲んで出て、また彷徨いだした。
結局、私の家の前にあるバーに。一番近いバーだが入ったことなかったのだ。
店構えがやたらアメリカンなので、きっとハルクホーガンみたいな人がやっていると思って敬遠していたのだ。


いざ入ってみると、40前後の大人しそうなマスターがちょこんと立っていた。
アメリカンな雰囲気ではあるが、レーベンブロイを陶器ジョッキで出してくれた。
Tがバックバーの棚に並んでいるCDを見ていると、意外にも懐かしい邦楽が並んでいる。


バーというとジャズが多いが、このマスターはこだわりが無いらしく、好きな曲かけますよと言ってくれた。
というわけで、まさかのスターダストレビューである。
木蓮の涙を聞きながら飲んでいると、二人して振られたような気持ちになった。
思えばバーで邦楽聞きながら飲むのは初めてだった。これがなかなか良い。


しばらくすると常連さんらしき人が。そしてびっくり。
いきなりファミコン始めた。初代ファミコンを常備しているのだ。
不思議なバーである。。。


こだわっていても、こだわってなくても、バーは面白い空間である。