あまりに凡庸〜「神様のカルテ」のこと〜

夏川草介 著 「神様のカルテ」 を読んだ。


夏に嵐の桜井翔と宮崎あおいで映画化されることで話題になっている。
去年の本屋大賞でも上位に入っていることもあり、読んでみた。


信州の病院で365日過酷な現場で働く主人公。
夏目漱石を愛読していて、言葉遣いも文語体。
その妻は天然愛されキャラ的な写真家。
二人が住む御嶽荘には個性的な住人がいる。
そんな登場人物たちが織りなす感動のストーリー……


的な。


なんでこんなに話題になっているのかが、さっぱりわからない。
つまらないとは言わないが、決して面白くはない。
最近の小説に多発しているタイプの個性派キャラと、相変わらず人が死んで涙を誘うストーリー。
うんざり。本当にうんざり。
地方の医療現場の実状を描いている点は興味深かったが、それ以外は凡庸と言わざるを得ない。
映画もかなり恥ずかしい感じになることが予想される。。。ちなみにキャストは合っていると思う。


この作者が医師というのがまたどうかと思う。医師が人死ぬ話を書くんじゃないと。
チームバチスタの作者海堂尊も医師だが、好きではないが彼の方が作家としては数段上だ。


そして今回、私が苦手な本の見分け方を発見した。表紙の絵である。
カスヤナガトと中村祐介というイラストレーターが表紙を書いているの作品はだいたいイライラすることになる。
この二人は作風が似ている。イラストが悪いと言っているわけでない。この女子受けしそうなイラストを使ってくる作品は要注意なのだ。
わかってくれる人はきっとわかるはず。。。

神様のカルテ

神様のカルテ