破壊と創造〜シュールレアリズムのこと〜

シュルレアリズム展―パリ、ポンピドゥーセンター所蔵による」を観た。


新国立美術館で始まった企画展、20世紀の大きな絵画運動であるシュールレアリズムの全貌を紹介している。ここまで大きなのは久しぶりだ。


私が美術を好きになったのも、このシュールレアリズムの画家マグリットに魅せられ、デ・キリコの作品に衝撃を受けて以来、美術という表現にはまったからというわけだ。
今回は彼らの作品ももちろん展示されている。


想像していた以上に見応えがあった。
シュールレアリズムの作品は単純に面白いのだが、その意味を探ろうとすると大変だ。
無意味と思われる造形に深いメッセージがあるかとおもいきや、まさに無意識のように観念的なものでしかなかったりする。


混沌とした時代の中で、生きる方法を見出すように、自己表現の方法を模索していたのだろう。それは破壊であり生産であり、20世紀という大きな時代の変化の始まりであったのだ。いや、もしかしたら今もそれは続いているのかもしれない。


この企画展は今年を代表するものになるはずだ、美術の扉をここから開けてみてはどうだろう。