メガネとアート〜現代美術館のこと〜

「オランダのアート&デザイン 新・言語」 を見た。


現代美術館で開催中の企画展。
時代背景を根元的に見据えたデザイン性で突出したオランダのアーティストを紹介している。


ひとことで言うと自由。無責任な自由でもないし、反体制的な自由でもない。
もっと人間的な自由とも言うべき作品が多かった。
特に世界的に注目されているというマーティン・バースの家具はすごい存在感だった。


現代美術館は常設展も見逃せない。こまめに展示を変えるので飽きることがないのだ。
今回も2時からのスタッフによるギャラリー・トークに参加した。
専門家の説明を聞きながら見て回るのだが、現代アートは説明無しでは半分も理解できない。
絶対に参加することを勧める。

 
だが、無料なのに参加者は少ない。今回はなんと私だけ。
今回の担当は若い女性でアシンメトリーな髪型のアーティスティックなメガネさん。
タイプだったので、二人で絵を見て回って間、こちとら勝手にデート気分である。


今はアンテパンダン展というものをやっている。
これは戦後間もなく行われた、審査無しの展覧会である。
既存のアカデミックなものに囚われない、自己表現を模索した作品が集められていた。
日本美術史の黒歴史とも言えなくもない。かなり興味深かった。


またピピロッティ・リストというビデオ・アーティストの作品も特集展示されていた。
カフカのマットに寝て天井の映像見る不思議な作品だったり、
女性の月経を映像化したものだったり、なんだか夢の中に入ってしまったようだ。
メガネさんはこの作品に年齢制限がかかっている意味がわからんと、憤っていた。


メガネさんが、友達のように会話しながら説明してくれたので、とても理解しやすかった。
現代美術はそのアーティスト自体のバックボーンを知らないと楽しめないことが多い。
さらに美術史や社会全体の潮流も多いに影響するものだ。


それにしてもあれほどの知識があれば、きっともっと美術を楽しめるに違いない。
私ももっともっと勉強しなければ、そう反省したわけである。