危険な純度〜宮沢賢治のこと〜

宮沢賢治 著 「注文の多い料理店」 を読んだ。


生前に発表された唯一の童話集。
私は一種、賢治アレルギーというものがある。
苦手なのだ。単純に苦手なのである。


なんだろう、あの純粋さにやられてしまう。
私から見ると、あの純粋さは暴力に近いのだ。
生前、自然賛美を唱えながらも国粋主義的なものへと傾いていくのだが、
そこを含めての純粋さが、考えるともう怖いのだ。


そんな賢治の童話集なわけだが、イーハトーヴ童話といわれる。
イーハトーヴは賢治の理想郷のことだ。別に岩手県に実在するわけではない。
そのイーハトーヴの世界は自然と人間が共存している。
そういうアニミズムに溢れた世界なのである。


読めばわかるが、自分の感性が錆び付いているのがよく解る。
深読みすれば教訓をくみ取れるだろうが、それ以前にその世界観がすごすぎる。
面白いとか、つまらないとかの問題ではない。
お手上げ、このひと言に尽きる。。。

注文の多い料理店 (角川文庫クラシックス)

注文の多い料理店 (角川文庫クラシックス)