嵐の日曜日〜女三人かしましの会のこと〜

「美人なのに中身が男、まぁ私みたい感じよ、あんた好きでしょ?」
と恐妻Aが私に言ったのは一月前くらいだったろうか。
そんなこと言った覚えは皆無なのだが、私に紹介したい子がいるというのである。


その子はAのいとこKちゃんの友達だ。
Kちゃんに初めて会ったのは高校の頃だが、ぶっ飛んでるというのはこういうことかと思ったものだ。
結婚して落ち着いたとは言え、女版寅さんみたいな奴なのだ。


そんなKちゃんの友達でAが認める子である。まともな訳がない。
怖い。怖すぎる。
だが断るという選択肢は私には無いのである。


というわけで、先日私のうちにKちゃんとその友達Iさん、そして恐妻Aとなぜか長男R(6)も来た。
Iさんは実にハキハキしながら気さくな人で、礼儀もきちんとしていた。
Kちゃんの友達だから、さぞ前衛的な人が来ると構えていたのだがそこは杞憂に終わった。


いつものように鍋を用意していたのだが、来るなり感動していた。
思えばこうして用意をして喜ばれるのは久しぶりな気がする。私も感動。
Kちゃんに会うのは久しぶりだが、相変わらずのべらんめぇ口調だった。
みんな美味しそうに鍋を食べてくれた。そしてよく食べる。新記録だと思う。
Kちゃん曰く、「こちとら、どすこいだバカヤロー」である。


想像していた通り、KちゃんとAがしゃべりまくる。
まぁ、寅さんと和田アキ子が来ていると思ってくれたら、当たらずとも遠からずだ。


私も話そうとすると、Rが「マグ、マグ」と呼んでくる。
この6歳児は私を同等の友達と思っていて、あだ名で呼ぶのだ。
でゲームを教えたり、カメラを教えたりと遊んでやらねばならない。


もはや主婦二人の息抜きの会である。
でもまぁ本当に喜んでいたので私も良かった。
何より、存在がツボな二人には笑わせてもらった。


そうして嵐のような時間は過ぎていったわけである。