NEXT DOOR〜三人飲みのこと〜

先日、TさんとU君を誘って飲んだ。
二人とも人生観が変わってしまうような大きい経験をしたので、その話しを聴きたかったのだ。


その内容を私が語るのは野暮というもの。
圧倒的な自然を前にしたTさんは、きっと扉を開けてしまったことだろう。
俗世のくだらなさを感じたろうか、人の卑小さを再認識したのだろうか。
いろんなことを感じたろうが、それは実際に体験した人にしかわからない。


とにかく羨ましい。私は死ぬまでに体験できるだろうか。休みプリーズ。


U君もまた大きな経験をした。
思うに、その決断に至るまでには大変な葛藤があったに違いない。
可能性とか、倫理とか、運命とか、どうしたって哲学的な問題にぶつかるはずだ。
それを越えるというのは、彼の人生観とそれを裏付ける精神力による。
でもそんな面倒なことを抜きにして私が言いたいのは、
いい奴だなあ、と。


TさんNEXTDOORとU君NEXTDOORにひきかえ、私DOORLOCKの不甲斐ないこと。
暇が無いというのは言い訳になってしまうのだろう。
本や芸術から小さい刺激は受けるものの、大きい刺激を最近受けていない気がする。


しかし思いつくのはくだらないことばかり。
何かしなくちゃ。
本気で考えなくっちゃ。
けれども、問題は傘が無い。
行かなくちゃ〜、君に逢いに行かなくちゃ〜。


井上陽水、「傘がない」より抜粋である。
やっぱり井上陽水はいいなあ。
こうして私の思考は脱線していくのである。