一枚の中の世界〜世界報道写真展のこと〜


世界報道写真展2010」 を見た。


毎年、写真美術館で開催される報道写真のコンテスト。
全世界を巡回している展示会で、私も今回で3回目、今では楽しみになっている。


写真は字のごとく真実を写す。
報道写真の説得力というのは、本当に凄い。動画やテキストには無いもので、
一瞬にして見る者の心に訴えてくる。
このコンクールに選ばれているものは特にその力があるものばかりだ。


もちろん衝撃的な写真もあるが、今回の大賞作品は、
テヘランの建物の屋上からイランの現体制への抗議の言葉を叫ぶ女性」というもの。
それは夜の屋上で叫ぶ女性の姿。一見静かな写真なのだが、そこにある緊張感とドラマ性を感じた。
それはこの国にはない種類のものなのだ。


スポーツや自然、社会問題などジャンルは様々で、
日本のニュースには流れない世界の出来事をかいま見ることができる。
世界の様々な場所で起きている悲劇や奇跡をとらえた一枚の価値というのは計りきれない。


この世界報道写真展は絶対に見て損はない。
社会的な意味でももちろん重要だが、写真の可能性を再確認することもできる。


今日も何処かで私たちが知らないうちに、何かが起きている。
そしてそれを命がけでフィルムに収めようしている人がいる。
伝えるために、だ。
だから私たちは知ろうとするべきなのだ。