祖父母に願いを〜お墓参りのこと〜

先日、朝起きてすぐに思った――そうだ、お墓参り行こう
母を連れて、千葉県は鴨川へと向かった。
海と山に囲まれた寺。
長い階段を登ると祖父母に会いに来たという実感が湧く。


今回、折良く住職に会うことができ、お茶を飲む機会に恵まれた。
民俗学の学者が最近この寺に来たそうだ。
なぜかというと、この寺には韓国籍、それも済州島出身者の墓がやたら多い。
それもみな何処かで繋がっているらしい。
この寺自体は曹洞宗で朝鮮とは関係ない古刹なのである。謎である。


私も以前から不思議に思っていたのだが、
結局は偶然と縁で集まったらしいのである。
いやきっと、まだ差別的なものがあったときのことだからいろいろあったとは思う。
それでも、こうして静かな場所にみんな集まっているのだから幸せである。
お妾さんや後妻も周りにいるので油断はできないかもしれないが。
私がお参りする祖父母の墓もいろいろあって別々である。


今回行ったときも祖父母の墓にまだ新しい花が挿してあった。
きっと周りの誰かのお墓に来た人が挿していったのだろう。
こういうつながりの強さは韓国ならではなのかとも思う。


お墓参りは1年に1回はしないと、なんだか気持ち悪い。
スピリチュアルなことはわからないが、これは必要なことだと思う。
今の自分があるありがたさを再確認できるし、未来へつなぐ義務も感じる。
つまり、独り身の私はとても肩身が狭くなる……。


一応、祖父母にどうにかしてくれてと頼んでみたが、
変わった祖父母だったので、きっと自分でどうにかしろと言っていることだろう。