そのカードは無かったことに〜タロット占いのこと〜

先日、いつものバーに行ったときの話。
バーテンKがタロット占いを覚えたというのである。
どうせ客も来ないからやってみようということに。


テーブル席で向かい合わせに座った。
「で、何を占います?」
「やっぱり、こういうのは恋愛かな?」
「えー、占う意味あるんですか? メールに絵文字入れないくせに?」
「うるさい!」


ということで順序に従いカードをまぜまぜ。
今度は私がまぜまぜ。
そして一枚めくったカードで占うわけだ。
私が見守る中現れたカードは……

デビル!!

その意味するところは、あいまいさ、はっきりしない、モヤモヤといった意味合いらしい。
「だいたい、マグさんは付き合いたいのか、付き合いたくないのかハッキリしないもん。マニアックだし。面食いだし。なんか変だし」

ビール飲みながら、なんかもう言いたい放題である。
占いという名のストレス発散としか思えない。
そういうKが仕事運を見たら、吊された男が出たそうだ。


タロットは未来を見るものではなく、現状を再確認するものだそう。
現状を知ったときから運命は変わるというわけだ。
確かにモヤモヤしたものが胸の内にあったのは事実だ。
しかしそれもすぐに晴れるだろう。


考えるきっかけとしての占いというのは良いかもしれない。
未来は決して見ることはできないのだし、過去は変えられないし。
結局、自分のことは自分で片づけるしかないのだ。。