疑い、そして動く〜「独立国家のつくりかた」のこと〜

坂口恭平 著 「独立国家のつくりかた」 を読んだ。


3・11を経て、政治への不信感や将来への不安を感じている人は多いはず。
じゃあ自分で作ってしまおうという単純かつ大胆な発想から、
建築家、作家、芸術家と様々な分野で活躍する著者が生きる上での常識に挑む。


土地所有の価値にいきなり疑問を投げかける。
なぜ土地にしばられるのか、なぜあんなに高いのか。
ホームレスの生活を調査し、ゼロ円でも生きていける発想を研究していく。
少し視線を変えてみるだけで、生活の常識は大きく変わる。


彼の論理は突飛だし、だれもができるものではない。
目の前にある常識を疑い、そして壊そうとしていくエネルギーを感じるだけでも価値がある本だと思う。
震災から2年過ぎ、自民党に代わり、いつの間にか元の感覚に戻りつつあるし、戻ることが最善という風潮がある。
それではだめで、変化を認識し、変化に対応していくことが必要になっていく。


自分自身もつい保守的な、安心を求めて選択していくことが多い気がする。
疑うこと、変わることを恐れずにいきたいと思った。
様々な選択しがあることを想像していくこと、生きるセンスとはそういうことなのかもしれない。

独立国家のつくりかた (講談社現代新書)

独立国家のつくりかた (講談社現代新書)