最高の時間〜「エル・グレコ展」のこと〜

エル・グレコ展」 に行って来た。


ずっと楽しみにしていた東京都美術館の企画展。
エル・グレコの作品が世界各地から集まる大規模なものとなっていて、こんなチャンスはなかなか無い。


ルネサンスの時代、ギリシャで生まれたグレコはイタリアを経由して、スペインのトレドに行きつく。
極端に細長く人物を描き、毛皮やビロードのような少しざらついた質感と鮮烈な色で独特な表現がお馴染み。
宗教画に興味が無い人も、グレコの作品には一目置かざるをえないだろう。


いやもう素晴らしい内容だった。
肖像画、宗教画、そして巨大な祭壇画。どれも見応えがある。
目玉でもある「無原罪のお宿り」は3メートル近い作品で、
下から見上げると信仰心の無い私にも神の存在を考えてしまうほどの説得力があった。


これはもう、絶対に行った方がいい。


スペインのトレドという街は全体が世界遺産になっていて、もう15年くらい前に行ったことがある。
確か、マドリードからバスで移動して、夜に着いてホテル探しに苦労した覚えがある。
スペインの街はどこも郷愁を感じるが、トレドはひと際雰囲気が良かった。
グレコがトレドにとどまり、何度となく街を描いたのもうなずける。


久しぶりにあの時の写真を見直してみようか。
見る者の感情に直接訴えかけてくるグレコの作品に心を随分と揺さぶられた。
まだ始まったばかりなので、もう一回くらい行きたい。。