寝台車に旅情が満ちる〜秋田旅行のこと その1〜

なにがゴールデンウィークだと。
こちとら休みは5日と6日だけ。
だがこの貴重な休みを無駄にはできないということで、兄(叔父)と二人で秋田旅行を計画していたのである。


男同士の旅行は大学時代にFと行ったスペイン・モロッコの旅以来。
基本的にひとり旅派なのだが、兄がどうしてもというので今回の旅が実現したのである。


なぜ秋田かというと、私がずっと男鹿半島にある「なまはげ館」と世界遺産白神山地に行きたかったからだ。
兄は鉄道が好きで、いわゆる乗り鉄。目的地は私が決めて、その間の電車の手配はすべて兄がやってくれた。


4日。深夜3時から仕事をして夕方に終わらせて、夜9時15分上野発の寝台特急「あけぼの」に乗った。

かつては多く走っていた夜行寝台車だが、交通インフラの発達とともにその数はどんどん少なくなっていき、今は数えるほどしかない。
この「あけぼの」もいかにも無くなりそうである。
寝台列車ほど旅情を掻き立てるものもない。
無駄にテンションが上がる。


席は寝台ソロ。寝るだけの狭い部屋だが、プライバシーは完全に守られる。
JRロゴの浴衣も備えられている。

0時近くまで狭い部屋におっさん2人でお酒を飲む。
電車の揺れが心地よい。
車窓からはほのかに光のスジが見える程度だ。


正直、体の疲れがピークになっていたので、横になった途端に眠りに落ちた。
6時にアナウンスがあり、20分後には秋田駅である。
ここでうっかり寝過ごすと青森まで行ってしまうから怖い。


あいにくの曇天だが、ついに来てしまったぞ秋田!
待っていろよ、なまはげ