報道の神髄〜筑紫哲也さんのこと〜

筑紫哲也 著 「若き友人たちへ」 を読んだ。


2008年に癌で亡くなった筑紫さんは、晩年大学で講義をもっていた。
ジャーナリズムから世界を見ること、そして自分で考えること。
この本から彼の生き様が見えてくる。
文章は静かだが、内容は熱い。


真っ向から事件に取り組み、
妥協せず、自分の立場をはっきりとさせて言葉を発する。
まさに気骨のあるジャーナリストだった。


よく見ること、考えること。
決して大多数の意見に惑わされないこと。
言葉にすると簡単だが、とても難しいことだ。
情報過多で、不安が募る日本に生きる私たちにとってはなおさらだ。


だが、こういう時こそ自分の立ち位置をはっきりさせておかなくてはないけないはずなのだ。
震災から1年。
今、筑紫さんが生きていたらどんな言葉を発していることだろう。


ジャーナリズムというものは、特別な人がもつものではない。
誰もがもたなくてはいけないもののはずだ。
私も呑気にニュースを流し見せずに、きちんと自分で考えなくては。


若き友人たちへ ―筑紫哲也ラスト・メッセージ (集英社新書)

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