最期の一幕〜死に際のこと〜

文芸春秋 編 「見事な死」 を読んだ。

3.11以来、日本人の死生観は少なからず変化したと思う。
近しい人間の死、そして自分の死というものを想像した人も多いだろう。


この世界で唯一平等であるといえるのは、人はみんな死ぬということだけ。
その死を考えるのは生を考えること。決してネガティブなことだとはいえない。


この本では阿久悠黒澤明ジャイアント馬場から中島らもナンシー関など
48人の最期をその人の近しい人が語る。
残された人が語る見事な死というものは、まさにその人の人生の縮図といえるものだ。


どのように生きるかを考えることはあっても、死にざまをあまり考えたことはない。
願わくば自分らしく死にたい。
そうなるためには、自分らしく生きることが条件となってくる。
いつ死ぬかわからないのだから、いつ死んでもいいように、いつでも自分らしくしていなくてはいけないわけだ。


自分らしさを語るのは野暮だからあれだが、
見送る人がちょっと笑っちゃうような最後であれば、今のところ私らしい生き方ができているのかもしれない、そう思った。

見事な死 (文春文庫)

見事な死 (文春文庫)