自然の尊厳〜伊勢・熊野旅行のこと その6〜

本宮の次は熊野速玉大社。
ここは朱色が鮮やかな社殿がまぶしい。
前日に行ったごとびき岩でお馴染み神倉神社が旧宮で、それに対しここは新宮といわれる。
宝物館にある御神宝はすべて国宝。
個人的に良かったのは天然記念物のナギの大樹だ。

そしてまたバスで移動しいよいよ那智の滝が近づいていく。
その前に熊野が世界遺産に指定される理由でもある、いわゆる熊野古道を少し歩くことができた。
本宮、新宮、那智大社の三山に通じる道が熊野古道と言われ、その中でもメジャーなのがここ大阪門の道だ。

本気でここを歩いたら大変なことになるので、ほんの少しだけ歩いたが、
なるほど歴史そのものが道になったようである。
夫婦杉にはさまれた石畳の道は古色蒼然として、素晴らしかった。


そして最後に那智の滝のある。那智大社那智山青岸渡寺に。神社と寺が隣り合わせなのは、神仏習合の廃止のためのごたごたのせいである。そもそもひとつのものだ。
さて那智の滝であるが、その落差は聞きしに勝る。1段の滝としての落差は日本一である。
本当に高いのだが、滝壺まですっと落ちていくので激しさは無い。曲線美を感じ、とても女性的だ。
滝自体が御神体なわけだが、それもうなずける。

効率的に三山を無事めぐることができてよかった。
もっとゆっくり見て回りたかったが仕方ない。
とりあえず見たいものは全て見ることができた。
あとは帰りのバスまでどう過ごすか、である。