何もない存在感〜伊勢・熊野旅行のこと その5〜

熊野三山は場所が離れていて、自力で回るとなかなか骨が折れる。一日でめぐるなら尚更だ。
そこで三山を回ってくれる観光バスを使うことにした。
その最初の目的地が、全国にある熊野神社の総本山、熊野本宮大社だ。

八咫烏(やたがらす)がシンボルが特徴的である。階段を登っていくと檜皮葺の最高に渋い社殿がある。
残念ながら修復中で全体を見ることができなかったのだが、
日本サッカー協会のシンボルでもある八咫烏の熊野本宮。
なでしこジャパンも優勝報告に来たようで、ユニフォームやら写真が展示してあった。


今回の旅のメインはこの本宮、、、ではなく、
明治22年の大洪水まで本宮があった場所、大斎原(おおゆのはら)なのだ。
当時は三つの川の中州にあり、当時の図を見るとそれは大きなものだったようだ。


日本一の大鳥居(鉄筋コンクリート)が原っぱにどーんと立っているのは何とも言えず迫力がある。
鳥居をくぐってもかすかにわずかな石垣と祠しかない。
それしかないから、頭の中でどんどんイメージが広がる。
かつて多くの人々が訪れた地にはそれなりの思いが残っているような気がする。


所謂パワースポットというのとは違うのだが、歴史というものをすっと理解できる場所だと思う。
夕暮れ時にこの場所を訪れることができたらどんなに素晴らしいだろう。
静謐でありながら、圧倒的な存在感のあるこの大斎原。
この目で見て、この足で立つことができて本当に良かった。