神様どころではない〜伊勢・熊野旅行のこと その2〜

伊勢神宮は大きく外宮と内宮と二つある。
外宮は産業や衣食住を司る豊受大御神を、内宮は、日本国民の総氏神天照大御神を祀っている。
外宮は駅から近く庶民的な感じ、内宮はバスで15分程度の場所にあり、外宮よりもすべて格式高い作りになっている。


森のようにこんもりと立つ木々に日差しが遮られているとはいえ、とにかく暑い。
そして人が多い。江戸の頃から伊勢参りとして人が集まっていたのだと実感する。
御正殿は最も清浄な神域。ヒノキで作られた唯一神明造の神殿は伊勢だけのもの。
人々が途絶えることなく参拝していて、パンパンという拍手の音がずっと響いていた。


神域というよりも憩の場といった外宮さん。
何でもない木にも神さまが宿っている気がしてしまう。


次にいよいよ内宮。
大きなヒノキの大橋、宇治橋を渡るといよいよ伊勢神宮に来たと実感する。
内宮に沿って流れる五十鈴川の御手洗場があり、川の水で手水ができる。
内宮の御正殿は石段を上ったところにあり、立派な造りになっている。
穢れを嫌う日本の神様らしい素朴ながらも、近寄りがたい雰囲気を醸し出している。


本宮、外宮ともに敷地内には別宮といわれる場所があり、いろんな神様を祀っている。
内宮の風日祈宮(かざひのみのみや)といわれる場所はとてもよかった。
小さな橋を渡っていくのだが、嘘のように静かになり、ほっと落ち着ける場所だった。


それにしても人の多さには辟易する。そしてなにより暑すぎた。
参拝もやっつけ気分にもなってきてしまう。
伊勢に行くなら絶対に早朝をお勧めしたい。
あれだけ人がいると落ち着いかないのだ、朝4時から入れるらしいので、その時なら人もおらず、神の気配も感じられるかもしれない。


内宮から昔から伊勢詣での人をもてなしたおかげ横丁で昼ごはん。
この一角は江戸から明治の建築物を移築したらしく、雰囲気があり歩いているだけでも面白い。
ここもすごい人。伊勢名物の伊勢うどんを食べてみたが、名物に旨いもの無しとはよく言ったものだ。
ちなみに赤福には行列ができていた。消費期限の偽装問題も過去の話のようである。