情動〜フランシス・ベーコンのこと〜

フランシス・ベーコン展」 に行って来た。


ピカソと並んで評される20世紀を代表する画家。
少し前に30億以上の価格で落札されて話題になった。
ちなみに90億ついた作品もある。。



初めてベーコンの作品を認識したのは、二十歳そこそこの頃だと思う。
予備知識もなく触れた作品は衝撃的だった。
性的な暴力性を感じるような恐怖感。だけど美しい。
――やばい。
と直感的に思った。


没後アジア初となる今回の回顧展、これほど大規模なものは生きているうちに無いかもしれない。
今回はベーコン自身の生い立ちなどを予習し、がっつり見てやろうと意気込んだ。
ハードゲイでマゾというかなりハードコアな特徴があり、それゆえに人生もすごいことになっている。。。


知れば知るほど怖くなるベーコン。いろんな意味でビビりながら会場に足を運んだ。
結論からいうと、素晴らしかった。本当に素晴らしかった。
情動、という言葉が一番しっくりくる。
暗く、時にグロテスクで、断続的な作品の数々。
だが切実な生の運動がある。


恐らく、孤独な人間が見たら究極の選択を突きつけられるかもしれない。
生きるか死ぬか。
それほどまでに作品の持つ力が圧倒的だった。


私などは時期がズレていたら、変なことになってたかもしれない。
べっとりと精神にペンキを塗られたような気持になったが、
この気持ちは大事にしたいと思った。


そして、美術は素晴らしいとあらためて思ったわけである。